50周年記念誌より(2)

岩高生のあしあと
50周年記念誌より 2

  • 岩瀬の町を聖火が走る!

    国道にとどろく岩高生の声援 手に汗握るオリンピック競技

    昭和39(1964)年は、本校開校の年であると同時に、東京でオリンピックが開催された年でもある。
     本来であれば、昭和15(1940)年に開かれるはずだったが、日中戦争激化のため幻の大会となってしまった。戦後、平和の祭典であるオリンピック開催が日本の復興を世界に示す絶好の機会と、関係者の尽力により第18回大会が東京で開かれることとなった。
     開会式に先立ち、聖火がオリンピック発祥の地ギリシアのオリンピアから日本に到着する。聖火は、未だアメリカの占領下にあった沖縄を手始めに、鹿児島、宮崎、札幌に飛び、4コースで全国を回り、開催地東京へと向かう。そのうちの第4コースが岩瀬の地を通る。 10月3日、岩瀬高校生は学校を出て国道50号沿線で聖火を待つ。小山を出て下館を通過した聖火は、聖火ランナーを先頭に、随走者2人、伴走者十数人を引き連れ町役場前を通過した。

  • 昭和45年 衛生看護科設置

    当時茨城県の人口比看護師の数は全国でも下位に属し、特に県西地区では少なかった。看護師供給源である看護師養成学校は、真壁郡医師会の准看護学院があるのみで、県西地区に看護師養成学校設置が自治体・医師会、何よりも地域住民の願いとなっていた。(結城看護専門学校や、きぬ看護専門学校はまだ設立されていなかった)
    県西地区自治体の首長などの請願や医療関係者の陳情などが県を動かし、昭和44(1969)年11月、県教育委員会で岩瀬高校への衛生看護科設置が決定された。私立大成女子校に次いで県内2校目、県立高校では初めての設置である。
    高校衛生看護科とは、保健婦助産婦看護婦法(現在は「婦」→「師」)に規定される学校で、卒業すれば、准看護婦資格試験の受験資格が得られ、さらに専攻科に進学すれば、通常3年かかる所を2年で看護婦国家試験受験資格が取得できる。本校への設置は、県西地区の医療の担い手の供給先として大きな期待を受けた。
    設置に先立ち、本校職員は他校の衛生看護科視察に全国を回り、施設・設備の準備、管理職は法に定める職員の確保など、文字通り東奔西走の努力を行った。
    そして、昭和45(1970)年4月、本校初の衛生看護科生徒が入学した。

  • 昭和63年4月 岩瀬高校に看護専攻科を設置

    県西地区には看護婦養成機関がなく、本校衛生看護科卒業生で看護婦になろうという進学希望者は水戸、日立、土浦または県外の看護婦養成機関への進学を余儀なくされていた。 そして、彼女たちは進学先の地域にある医療機関へと就職していく。
    このため、県西地区に看護婦不足が生じ、医療関係者、市町村から県に対して対策が求められていた。
    そこで茨城県は岩瀬高校に看護専攻科を設置することとなった。
    昭和63(1988)年11月16日、本校体育館において看護専攻科の開設式が行われました。 当日は、地元選出の常井県議会議員、長谷川県議会議員を始め、飯田岩瀬町収入役、三宅県西総合病院長、草間真壁郡市医師会長など、多くの来賓の方々のご臨席を賜り、数数のあたたかい激励のお言葉をいただきました。茨城県関係、近隣市町村関係や医療関係、保護者の方々など、お忙しい中駆けつけて下さった方々で体育館がいっぱいになりました。
     これに対し、専攻科生全員がナイチングール誓詞を唱え、代表の栗原久美子さんが誓いの言葉を述べて感謝の意を表しました。
     この開設式の模様は茨城放送でも紹介され、本校専攻科に寄せる県下の期待の大きさが改めて感じられました。
     専攻科第1期生は、今年4月から既に新しい校舎で勉強を始めています。その熱心な姿は、普通科、衛生看護科の生徒もよく目にしていることと思います。

  • 5年一貫教育

    平成14(2002)年、高度に発達した現代医療に対応するため国は、衛生看護科、つまり准看護師資格取得の専門科目授業時間を、それまでの1500時間から1890時間へ増加させた。
     対して、高校教育の現場では学校5日制が導入され、授業日が少なくなった。そのため、本校衛生看護科では週3日は7時間授業、夏休みも短縮して授業時間の確保に努めていた。
     この制度改革に対応できないと多くの高校で衛生看護科を廃止し、存続した高校は全国でも4校、その中で専攻科が併設されているのは本校のみという状況になっていた。
     茨城県教育委員会では高校入学者数減少にともない、平成15(2003)年から県立高校再編整備計画を策定していた。 平成18(2006)年9月、県立高校再編整備後期実施計画が発表された。その中で、岩瀬高校衛生看護科の5年一貫教育が決定された。これで高校衛生看護科と専攻科の重複科目を解消し、ゆとりをもって正看護師を目指せることとなった。さらに2人担任制となり、国家試験合格にむけて充実した教育が行えることとなった。
     一般には、看護師の国家試験受験資格を取得するためには高校卒業後3~4年間は学ばなければならない。本校では5年一貫教育の導入によって、高校の衛生看護科卒業後、2年間専攻科衛生看護科で学ぶことにより、受験資格を取得することができる。つまり、最も早く看護師になる夢を実現できる学校である。



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